対等の立場で向き合う心理カウンセリング

悩みごとの相談というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。
人生経験豊富な人に愚痴を聞いてもらった後、こうしたらいいんじゃないか?と具体的な行動や言動のアドバイスをもらうこと、あるいは友達の経験談を教えてもらうことをイメージする方も多いかもしれません。
しかし、心理カウンセリングの席では、こういったアドバイスや経験談といったものはほとんど利用されません。
相談に訪れる人、クライアントの命や心身の危険を回避するためのアドバイスやおすすめが行われることもありますが、最低限の利用に留められています。
悩みを一刻も早く解決したいのになぜアドバイスをもらったほうが早いのにと疑問に思われる方も多いでしょう。
しかし、心理カウンセリングはクライアント自身が自分の内面や現状を見つめて意思決定し、行動できる力を持っているという前提に基づいて行われます。
カウンセラーはあくまでそのプロセスを安全に行えるよう援助する存在にすぎず、決してクライアントよりも上の立場ではない、対等の立場と捉えられています。
いわば秘境探検を一緒にしていく「仲間」のような存在なのです。
とはいえ、カウンセラーがクライアントと一緒に右往左往するだけでは心理カウンセリングの意味はありません。
秘境探検に例えれば「目の前の橋は安全だと思えるか否か?」「進めそうと思っているか?別ルートを探そうと思っているか?」などをクライアント自身が自覚して、どうしたいかを決められるよう、さまざまな技法を駆使して助けてくれます。
自分を見つめなおし、自己成長しながら悩みを解決していけることが心理カウンセリングの大きな強みです。